美しい音

「ピアノを上手に弾く」


とは一体どういうことだろう。


先日体験レッスンに来てくださった大人の(ご高齢の)生徒さんが、

「美しい音で弾きたいんです」

とおっしゃった。


ちょっと衝撃を受けた。


プロでもなく、特に音楽大学を卒業されたわけでもないのに、そしてずっとピアノを続けて来られたわけでもないのに。


「綺麗な音で弾きたい」.....。


すごいと思った。


年齢を重ねてくると、ピアノや音楽は「聴く」ために存在するようになるのだと思う。


幼い頃、若い頃は違う。


ピアノは「弾く」ためにある。

しかも「上手」に。

「聴く」よりも「弾く」ことに必死なのだ。


年齢を重ねてくればくるほど、「音」を聴くようになるのか。

綺麗な音を求めるようになり、そして、本物の「音楽」に近づけるのか。


何はともあれ、私は、とても幸せな気持ちになった。