お手本

お手本」という言葉が日本にはあるが、ピアノの場合、まさに「手」を使って「見本」を見せることがとても大切だと考えている。


私はとにかく生徒の前で「弾く」ことにしている。


もちろん、アイススケートや水泳やはたまた野球などのように、コーチはもう現役ではないのでお手本を見せられない場合もある。


だが、ピアノの場合、そして特に子供の場合、まず「お手本」を聞かせることはとても影響が大きい。


「百聞は一見にしかず」


とは微妙に違うが、いくら言葉で説明してもしても、それを受けとる側の力が足りないと、残念ながら違う方向に行ってしまったりもする。


なので「弾く」。


「新しい曲はこんな曲よ。」


という意味はもちろんある。

子供の場合はこれがとても重要。


だが、実は「お手本」の、もうひとつのとても大切な要素は


「見ること」。


これが、実はとてもとても重要なのだ。


横から、生徒に見てもらう。

「身体の使い方」を見てもらう。

「タッチ」を見てもらう。

「呼吸の仕方」を見てもらう。


これによって、生徒の感覚、感性は驚くほど違ってくる。


目に見えないものを教えるのだから、こちらも責任がある。


少しでも伝わるように.....と日々思う。